天馬兄弟と神の進化と邪神アバター

神の進化がOCG化されますね。
でまあ夜行自身は洗脳月行を介してしか神の進化を使用しておらず重要なカードとみなしていた節は無い一方で月行自身は本来邪神を含めて適用対象の幻神獣を一枚も持っていない事に基づいた妄察なんですが、
 
夜行のエースはなんと言っても邪神アバターであり、夜行が邪神アバターに魅入られた背景には*1
彼が双子の兄であり完璧パーフェクトデュエリストと呼ばれる月行に全く敵わず、
周囲の人間には「月光の劣化コピー」と嘲られ
父と慕うペガサスにも月行は褒められる一方で自身は「ラフ・ダイヤモンド」という評価しか得られなかったために劣等感を拗らせていたというのがあります。

彼は「自分と同じ姿で自分では届かない」月行にコンプレックスを膨らませ、それゆえ「相手と同じ姿を取りながら相手を超越する存在」でありまた「絶対に誰にも負けない力」であるアバターに憑りつかれたのです。

キサマ自身と同じ姿をした超越者に屈しろ!

「たとえ神であろうとも邪神はその身を映し取る!」「見るがいい貴様の神を凌駕する」「邪神オベリスク!」

「そんな格下の神の攻撃なぞ」「無効だ!!」
こういったセリフの端々から彼の中にこびりついた「強い者は強く、弱い者は弱い」「強い者が絶対である」という強迫観念的な哲学が見て取れます。
彼は弱者で負け犬でそんな自分に耐えられなかったからこその反動です。
否定されたくないから否定されない力が欲しい。否定されたくないから否定してやりたい。どうだ今オレはこんなにも強い。お前はオレに及ばない。
結局他人の承認ありきなんですね。

月行がリッチー戦で語った「もう私たちは自立した!」「非道な方法でペガサス様を召喚し――昔のようにすべてを依存することはないはずだ!」というセリフとは対照的です。

リッチーくんかわいいよリッチーくん
月行にとってはむしろ苦い言葉ですらあるパーフェクトの称号をそうとも知らず追い求めペガサスに与えて貰いたがるリッチーくん可愛い

ペガサス様に依存しきっていつまでも子供のリッチーくん可愛い

むははははて

でまあそんなファザコン揃いのペガサスミニオンの中で何で月行だけが異質でペガサスからの自立という視点に立てるのかと言うと月行だけは諦めを知っているからだと思われます。

月行はペガサスに「パーフェクトデュエリスト」と呼ばれ、誰もがそれを「完璧」という意味だと捉えた。
[
私の成長は「完了」している…
月行はデュエリストとしては既に限界で、自分でそれを知っていた。どうにもならないものがあるという事を理解していた。
だからこそ彼はあんなに理性的なんですね。
月行に限界という絶望を与えて月行以外には目標とした王座が実は王座でも何でもないとかいうどんでん返し与えるペガサスえげつなさすぎワロタ。*2
とはいえ夜行にとっての「月行へのコンプレックス」にあたるものが月行にとっての「自らの限界」であるならやっぱりそれは超えたい。
それで生み出したのがM&Wの絶対の頂点である神をさらに上の段階に押し上げる神の進化だったんじゃないかなと思います。
「ラフ・ダイヤモンド」であり、完璧パーフェクトデュエリスト月行の劣化コピーと蔑まれる夜行は誰にも負けない力が欲しいという切望からどんな相手にも……「頂点」である”神”にすら……勝る邪神アバターを、
成長が完了パーフェクトしてしまった月行は限界を超えたいという切望からMWの絶対的な頂点である神をそのさらに上の次元に押し上げる神の進化を創造し、
その神の進化がアバターの呪縛を解いたって解釈するとすごくよくないですか。

神の進化いいよね。

*1:超自然的な邪心増幅とかペガサスを復活させたいとかもあるんですが

*2:実際には王国で死んだのが想定外で生き残っていればもうちょっとケアを行ったという設定であると思われる。