世界樹の迷宮Ⅱコミカライズ 六花の少女はいいぞ

世界樹の迷宮リマスター発売おめでとうございます。
ポケモンにうつつを抜かしている間に発売日を迎えてしまいやや戸惑っている所もありますが再び懐かしい迷宮に挑むことができるという事で喜びに胸を高鳴らせております。

さてこのリマスター版発売に合わせてSQ2の名コミカライズである「世界樹の迷宮Ⅱ~六花の少女~」の電子版が発売されました。


これがめちゃめちゃめちゃめちゃ面白いので古のボウケンシャーには是非読んで欲しいなと思い記事をしたためています。
私はこれでも過去には世界樹ブログを運営していたこともあり(諸事情により閉鎖)もう15年以上の年季の入ったボウケンシャーなのですが、そこそこの数がある各コミカライズ・ノベライズなども集めていた私が一番好きなのが「この六花の少女」です。もちろん今回も秒で購入しました。
ぶっちゃけ電子化15年以上待ったし知り合いに物理書籍で布教してた事さえある。
という事で以下六花の少女の好きな所を心の赴くままに書き連ねていきますので是非各ショップにてお買い求めください。

世界樹の迷宮Ⅱ~六花の少女~のここが素晴らしい!

初期世界樹の空気が強い!

どんな冒険者も殺されれば死に、どんな魔物も殺せば死ぬ

世界樹の迷宮シリーズはなかなか歴史が長く、純粋なナンバリングだけでもⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅹと存在する上、新世界樹シリーズも1、2と出ており、その十余年という期間の中で段々とバランスや世界観が変化していったところがあります。
個人的に世界観の変化として特に大きいなと思うのが人が死ぬかどうかですね。
別に冒険者は死ぬべきとか死人を出して悲壮感を演出しろ言っているわけではなく、単純に傾向の変化として、初期作においてはネームドであるか否かを問わず冒険者というのは結構ポンポン死んでいたものが、後期作になるにつれて(4は把握していませんが)死ななくなっていった印象があります。
死ななくなっていったというか、迷宮自体が「人が死ぬ場所」ではなくなっていったというか。

【読み返したら愚痴っぽくなっててアレだったので閉じてます】 
例えばⅩにおける冒険者カップルのロブとカリスは明らかにⅢにおける冒険者カップルであるムロツミのアガタとカナエを意識したキャラクターであり、
アガタとカナエは1層の時点で見捨てて接点を断っておかない限り、こちらがどう接してもどちらかが死んでしまうイベントが展開されるキャラクターだったのですが、
ロブとカリスの方は無謀に無謀を重ね続ける立ち振る舞いに反し、こちらが何を選ぼうが絶対に死ぬ事はなく、ハッピーエンドしかありません。
モブキャラクターにおいても、初期の衛兵などは万全を期しても雑に死んでいたのに対して、Xでは兵隊が仲間の装備を鎖でその辺に括り付ける悪戯をして特に人死にも出ない…みたいなイベントがザラにあったり。
プレイヤーが体験する迷宮内小イベント*1も後期のものになるほどかなり「気軽に遊んでみる」という性質のものが多く*2
全体的に迷宮から「シビアさ」が除かれていった印象です。「全力を尽くしてもダメな時は死ぬ」異界という感じではなくなっていった。
まあこれ自体は好みの問題でありどちらが一方的に良いというものではないと思うのですが、

どちらかと言えば私は初期世界樹の「どんな敵も殺せば死ぬ」「どんな冒険者も殺されれば死ぬ」といった世界観と、「それでも迷宮に挑む冒険者」が好きでしたのでゲーム体験の延長としてのコミカライズにもそうであってほしいなと思っている所があります。
そういった点において、六花の少女は(もちろん「そもそもⅡまでしか出ていなかった時期の漫画である」という事もあるでしょうが)、「殺されたら死ぬから殺されないために殺す世界樹」を誠実に描いており、非常に好印象でした。
  

もちろん皆ある程度漫画的な身体能力は持っているのですが、基本的には説明のつく事柄しか起きないのもいい所で、
主人公マナリィのパーティは最初から実力者揃いでかなりのペースで迷宮を進んではいます*3が、それにもきちんと理由が与えられており、

例えばマナリィが強いのは引退した冒険者の元で修業を積んだため*4*5
相棒のクロウドが強いのは「元は」深層を探索していたベテランだったため、
パーティの初速が速かったのはマナリィが師匠筋から当時のマップの写しを得ていたためで、
それほどのアドバンテージを持った上でもかなりの頻度で死にかけています。

種も仕掛けもある不思議

世界樹の迷宮は元々Ⅰの時点で序曲とか抜刀氷雪とか呪言といった不思議パワーのある世界ではありますが、基本はあくまでナウシカであり、あらゆる不思議の芸には「世界観なりのタネや仕掛けがある」という事が度々言及されていました。*6
例えば今は無きⅡの公式サイトでは他ゲームでの魔法使いに当たるアルケミスト錬金術のキャラ紹介において、

右腕に金属製の篭手をつけた男が、幾つかの袋と、金貨が積み上げられたテーブルを挟んで商人と取引をしている。
男が金貨を1枚、また1枚と積み上げて行き、
何枚目かの追加の金貨を積んだところで商人はようやく頷いた。商談が成立したようだ。
金を受け取った商人は袋を押しやると満面の笑みを浮かべて去っていった。
やれやれと言った感じで肩をすくめた男と君の目が合った。
男は、目の前の椅子を顎で指し示した。
「暇なら一杯付き合わないか?」
君は男の誘いに応じてもいいが、無駄な時間を費やしたくないというのなら立ち去ってもいい。

冒険者で賑わう町、ハイ・ラガードか…。
 困ったものだ。賑わうのは良いが、ここまで物価が上がってはな」
男はため息をついた。
「ご存知の通り、我々アルケミストは、敵の属性を見抜き、
 相反する属性の術式をぶつけることで最大の戦果を挙げる…。
 敵の属性を予測することは戦いにおいて重要だ。
 だが、術式を起動するためには、適切な触媒が必要不可欠なのだ。
 一仕事終えたのでしばらくはのんびりしようと思っていたのだが…
 触媒を仕入れるだけで蓄えが乏しくなる始末。
 これはまた新たな仕事を探し出さなくてなるまいな…。
 誰か私に気前良く報酬を払ってくれそうな雇い主を知らないだろうか」
アルケミストの技術に興味があるのなら声をかけてみてもいいだろう。
もう少し丈夫そうな仲間が欲しいなら他をあたったほうがよさそうだ。

といったゲームブック風の紹介文が与えられたりしています。
彼らの扱う術式は実態としては、ゲーム的にはやはり攻撃魔法なんですが、彼らにとってのそれらは超常現象ではなく、あくまで錬金術の英知によるものであるという説明がなされているんですね。
世界樹の迷宮において「不思議」とは、理解可能な、タネも仕掛けもある現象である…という世界観であるという事を表現しているとも言えます。
それは科学と呼ばれた力。

これについて六花の少女では「不思議にタネも仕掛けもある」事をきちんと表現しており、主人公マナリィはガンナーとして氷の出る弾丸アイスショットを使用しますが、そのアイスショットの原理は錬金術に由来し、それを扱えるのはマナリィが訓練されており高度な知識と調合技術を持っているからであるという説明がなされていました。

 
またパーティの回復役であるシノンは単純な外傷以外に疾病の治療ができたり、ちょっとしたドーピング*7を施す事ができたりもするのですが、これはⅠ、Ⅱでは回復職は治療師メディック巫医ドクトルマグスである事に由来し、彼らが「医術を修めた冒険者」であるという事を踏まえた描写になっているんですね。
彼らの回復スキルは祈りや想いの力ではなく、基本的に医療行為。

個人的に、この手のRPGモノは全ての事象を説明する必要は無い(むしろくどくならないように描写を絞る事にも相当の工夫が必要である)とは思うのですが、同時にこうした描写がちょっと挟まれるだけで世界の解像度がグッと上がり、空気感が伝わってくるので、そうしたディティールに凝ってくれるのは読んでいて嬉しい所でした。*8*9

ちなみに私は同じ「解像度」という理由でSSQ2の街開発も暮らしが垣間見られて好きだったりします。

キャラクターがいい

全体的にキャラクターがいいです。
登場人物は殆どがオリジナルキャラクターなのですが、それぞれがきちんと「冒険者」をしてくれています。
上でちらっと「それでも迷宮に挑む」という言葉を出しましたが、
当時の世界観では常に死と隣り合わせの迷宮で冒険者なんてやるのはやはり命知らずのバカであり、それなりの理由が無ければ迷宮には立ち入らないものです。
メイン級の冒険者四人*10にはそれぞれ冒険者となった理由が与えられており、まあ結局元をただせば全部ロマン寄りなので他人からすれば「そんな事?」みたいなものかもしれませんが、皆それに命を懸けています。

多少捻くれた見方をすると皆きちんと「冒険者になるような、冒険者なんかになってしまうような背景」を持っているとも言えるのかもしれません。(と言っても誰一人として悲観的な訳ではなく、それがまたよい)
  
その他の冒険者たちもきちんと迷宮探索という稼業に向き合っており、危険な迷宮でそれぞれ最善を尽くす事で勝ち進んだり、それでも及ばずに死んだりしています。
話を回すために都合のいい愚か者が出てきたりしない。すごい。
(まあ強いて言うならマナリィが割と無謀な愚か者ではある)(そもそも冒険者が全て愚か者というのはそう)


本編キャラとしてはハイラガード公女だけ展開上強めに人格を出してきますが、チョイ役なのにきちんと王族らしい矜持を示してくれるのでいいね👍と思っています。*11*12

シナリオがいい

六花の少女はあくまで「マナリィの冒険譚」であり、諸王の聖杯本編の展開とは特に関係がありません。(キマイラっぽいのは出てきますが別の人です)(製造元は同じかもしれない)*13
しかしそれ故に展開の制約なく、「ハイ・ラガード冒険者のありそうな冒険」を見る事ができます。
世界樹の迷宮の冒険」を見られる漫画。素晴らしいと思いませんか?
なおラスボス周りの展開は非常に「凍土に眠る永久の冷酷」*14と重なる部分が多く、多分あのクエストをモデルにしたのではないかなと思います。

バトルがいい

既に「死にそうになる」話を何度もしていますが、世界樹の迷宮なのでモンスターがちゃんと強いです。

モンスターにもモンスターなりの工夫と経験、必勝法があり、あの手この手でマナリィたちを脅かします。
一部の決着が詳細に描かれないのが惜しい所ではありますが、
強いモンスターに対するそれぞれの試行錯誤や、不意に訪れるファンブルと絶望、危機を察知する直感と言った冒険者あるあるが描かれており読んでいて楽しいです。
分断されてピンチのタイミングでクロウドがめっちゃ助けに来る事に気づくとちょっとフフってなる。

六花の少女本編外において

冒険者の絆

世界樹の迷宮2ではオリジナル版からブシドーとガンナーの依頼人が登場する「冒険者の絆」というクエストが新たに追加され、

さらに当時ファミ通にはクエストの前日譚にあたる漫画が掲載され全俺が狂喜しました。*15
なお前日譚漫画は新世界樹シリーズの資料集に収録されており、ありがたい事にこれも電子版があります。

エストの内容自体はありきたりな討伐クエストですが、六花の少女においてマナリィは酒に弱く、酔いつぶれてクロウドにおぶられていた事を思い出した上で受領すると更に楽しめる事でしょう。

ⅩのDLCイラスト

最新作であるⅩの早期購入特典は全冒険者が当然所持しているモノだと思っていますが。
その中の一人、金髪ガンナーはFLIPFLOPsさんの描かれたものです。


これも各所で話題を呼びました。

関係あるか微妙な話

タガタメコラボ

これは微妙に陰謀論なのですが、5年くらい前にタガタメというアプリと世界樹がコラボした際、ガンナー・パラディン・プリンセス*16が実装されたらしいのですが、その金髪ガンナーはお金が無くてトマトジュースが好きなようで、知った時ぶったまげました。

単にガンナーをコラボに出すって時に「お金が無くてトマトジュースが好きなガンナー」にする事、ある?

230709追記
www.youtube.com
該当する台詞が流れる動画を発見(厳密には4年前に見つけていたがこの記事を書いた時点では発見できなかったのを発掘した。youtubeの検索機能はゴミ、ニコニコを見習え)

終わりに

とりとめもなく書き連ねてしまいましたが、要約するとこうなります。
”必要な言葉は一つ。太古の盟約に
 基づき上帝の言葉を告げる。
 六花の少女はいいぞ!”

ご清聴ありがとうございました。

*1:Ⅴ以降ではアドベンチャーエピソードと呼称

*2:まあ昔から釣りを始めて凍った池に落ちたりはしてたけどそういうのは少数だった

*3:作中の設定では「100のパーティに1つの割合でしか到達できない」とされる3層入りを成し遂げています

*4:これモロにⅡの引退機能だな。FLIPFLOPs先生天才か?

*5:99マラソンの同キャラ引退しかした事無かったから今まで気付かなかった

*6:初期は特に終盤のどんでん返しの必要もあったからなおの事そこに凝っていた感があります

*7:鬼力化に当たるのかもなと思ったり

*8:多分これはクエストになると初期特有の特定クラス必須クエストになるんでしょうね。不評だったのでなくなってしまいましたが私はとても好きでした

*9:新1だとカースメーカー必須クエストだった「白き姫君は終末の夢を見るか」がドロップアイテムの収集でもクリア可能なように調整されており膝を打ちました

*10:ルークは虎なので…

*11:新2だと思ったよりふてえ女だったけど当時はその設定無かったですしね

*12:あとまあアントニオさんが思ったより目利きっぽい事してたかな

*13:作中時点では誰も3層を踏破しておらずエスバットも妨害活動を行っていないようなので時期的に本編より前みたいな解釈はできるかもしれませんが、その足で4層に抜けてたりフレースヴェルグなる最強ギルドが登場するので別時空と考える方がよさそう

*14:新2でクエスト名変えたの絶対に許さんからな

*15:私はもちろん名作だと思っていますが、正直コミカライズ作品のひとつからそんな大抜擢があり得るのかともう本当に感動しました

*16:ガン子、ししょー、金プリ

獄炎の魔王30話感想

今更ながら30話感想

パーフェクトアバン

援軍として登場したフローラ様率いるカール騎士団ですが、アバン専用にカスタムしたカール秘伝の聖剣・盾・鎧を授けてくれました。

アバンを全力でバックアップしてくれるフローラ様。
フローラ様が本当にアバンに全賭けしているのが伝わって来ますね。
彼女は本編でもアバンが「現れない事」からすべきことを察し全力でそれにあたっていたほどでしたし、アバンを心から信頼していることが伝わって来ます。アバンのしるしは譲り渡しましたが実際アバンの使徒みたいなもんだと思う。
そんなお姫様をこの後13年くらい放置した勇者もいたそうですが…。
兜・剣・盾の装備は本編での回想シーンにおける魔王ハドラーと戦った時と同じなのでその補完でもありそう(デザインはどちらかというと星ドラの勇者アバンに似ているそうですが)。
聖剣の威力は当然素晴らしかったですが、個人的に気になったのは秘宝の盾で、火炎ブレスを弾き飛ばしていましたからあれがイオナズンへの対策になるのかなと思ったり。

なお装備は鍛えなおしたのはドリファンだそうです。流石アバンの執事なんでもできる。一瞬見せた身のこなしと剣さばきもヤバかったし、アバンがあれほどの大人物になったのはドリファンの影響も大きいんでしょうね。
本編時には多分もう亡くなってるんでしょうが大変惜しい人材でした…。
マトリフを見送る時の「つまらぬものですが数日分の保存食です」「あんたがつくってくれた食いもんでつまんねえものなんか一つもなかったぜ、ありがとよ」って会話がめっちゃ好き。

パーフェクトアバンの雰囲気どっかで見覚えあると思ったらパプニカ王だったわ。

すべての戦いを勇者のためにせよ

各国の援護を受け無傷で地底魔城に突入したアバン一行。
案の定この作戦が発令されてしまいます。
わかっていた事ではありますが結局ハドラーの守備的な布陣は全部効果が無かったわけですね…。

魔王ハドラーの強さの秘密

ブロキーナ老師による魔王ハドラーの秘密徹底解剖。
「天才的な戦闘センスを持っていて必殺の攻撃に対して直撃を外し威力を殺してしまう」
「高い魔力に裏打ちされた異常な回復力」

「当たれば死ぬ攻撃はあるがそもそも直撃を受けてくれない」という部分は自分の予想と大体同じで小躍りしました。
もう一つは本編ではあまり注目されていませんでしたがリジェネですね。
本編環境と比べて火力がインフレしていないので相対的にハドラーが固いのか、直撃を外す奴とのコンボでダメージを抑えられているから必要回復量自体が少ないのか、体力の豊富さと別にとにかく削り切れないようです。
バルジ島で割とあっさり魔力切れしていたのはなんだったんだ…。

この二点からブロキーナ*1は当然マトリフ*2でもハドラーを倒せない理由付けがなされており、非常にうまいと思わされます。
ブロキーナはタイマン向きで多数の敵をさばくのにはそこまで向いておらず、かと言ってタイマンしてもハドラーに対する勝ち目はゼロという事で地底魔城自体についてこなかったことの説明も一応なされていたり。
冷静に考えてクソボスだなハドラー…。
やっぱりマトリフに呪文戦挑んだの勝負勘無くなりすぎでは?

たっ……大変ですッ!バルトス様!


見た事のあるシーン。
めっちゃ流暢に喋るがいこつけんしくん。
いつも思いますけどこの世界の魔物喋れたり喋れなかったりするのが場面によって曖昧でなんか面白いですね。


同じ「巨人族」のくくりでもギガンテスは喋れるけどトロルは喋れない。


ミイラ男やおばけキノコは一貫して知性が低いか語学力が無いみたいです。(私と一緒ですね)

バルトス出陣


…いいかヒュンケル…ワシは魔王様の門番として戦わねばならん(←完遂するとは言ってない)
もしかしたらワシは死ぬかもしれん…!(←アバンに殺されるとは言ってない)

自らも戦おうとするヒュンケルを隠し出陣するバルトス。
冷静に考えるとハドラーの勅命でやったとはいえ自分で街を滅ぼしておいて赤子のヒュンケルを憐れんで救い上げたバルトスの行為ってマッチポンプも甚だしいですし、ハドラーに「酔狂」といわれるのもまさにその通りなんですが、
それでもバルトスはヒュンケルにとって紛れもない父であり、何よりそうした行為がハドラーに許されるだけの強者だったそうですので、負けは決まっているとはいえ活躍に期待したいです。
まさかこの漫画で一番戦う回数が少ないのがバルトスとオトギリ姫とはね…。

でも君が地獄門の守備に就くのちょっと違わない?
ガンガディアと共闘した方がよかったのでは…?

*1:閃華裂光拳のダメージを抑えられリジェネでしのがれてしまう

*2:メドローアなんて受けてくれない

これまでに登場したアポロンウインドウについて考える -友情パワーの正体もアポロンウインドウである-

案の定牛君がやられてザ・ワンの軍門に下った後ようやくバベルの塔からの景色が拝めたわけですが、これがなんとアポロンウインドウという事で大変驚きまた喜んでおります。
ネプチューンマンとしてはあんなものは見た事も聞いた事も無いし見当もつかないとのことですが、ネプは完璧超人としては経験がある方ではないので、ネプキンやサイコマンなら何か知っていたかもしれません。
つまりこれはネプキン復活させるしかないですね。

さてアポロンウインドウは元々サイコマンが「様々な生命にあふれる地球」の特異性の調査の結果発見したもので

そこから得られたエネルギーはマグネットパワーと呼ばれ、「地球そのものが持つ超人パワーのようなもの」と解釈されていました。

一般にマグネットパワーは磁力を操って超常現象を起こす能力であり、アポロンウインドウによってマグネットパワー自体が供給される事で使用可能になると思われがちですが、
2000万パワーズ戦のミッショネルズが自前なりネプチューンマスクのエネルギーなりで発動していた事や、キン肉マンが自前の火事場のクソ力で発動していた事を考えるに、実態としては磁気を帯びた身体さえあればマグネットパワー自体は普通に超人パワーだけで発動可能であり、

従来のアポロンウインドウの本質は地球から超人パワー(より厳密に言うと超人パワーとして精製される手前の生命エネルギー*1)の供給を受けられる事にあると言えます。
超人レスリングの試合ではサイコマンの系譜のマグネットパワー術者が付近のアポロンウインドウと接続する事で試合中に超人パワーの供給を受けていましたが、
試合外でも超人墓場では禁断の石臼を利用する事で死亡超人が術の習得如何にかかわらず自らを蘇らせるための生命の玉を得る(同時に超人墓場を維持するためのエネルギーを抽出する)と言った事が行われており、
要はアポロンウインドウ自体は適切な刺激・条件さえあれば動作する性質のものなのでしょう。

また今回空に現れたアポロンウインドウは周囲のパワーを吸い上げようとする「逆アポロンウインドウ」とでも言うべき代物でしたが、あれも我々は既に見た事がありそうです。
 
ミッショネルズの身体に浮かび上がっていた鍵穴型のアザもまたアポロンウインドウと呼ばれていた事を考えると、
あれはまさに地上側のアポロンウインドウから放出されるエネルギーを得るための吸収版アポロンウインドウなのではないでしょうか。

オメガの星に禁断の石臼が持ち帰られていた事を考えるに、アポロンウインドウの生成は地球近辺限定という訳ですらなさそうであり、
星に限らず超人の身体や果ては虚空などどこにでも作る事ができ、適切な刺激に対してエネルギーを吸ったり吐いたりするものなのではないかなと思います。
ただそのエネルギーは有限で、吐いた分が戻ってこなければ今度はそれを補うために周囲のエネルギーを吸い始める…とか。


ひょっとすると、本質的には全ての超人にアポロンウインドウは備わっており、例えば仲間からの友情パワーによって超人強度が増す時、見えないアポロンウインドウを通して他の超人から超人パワーの供給を受けていたのかもしれません。

おわり。

*1:術者が自前で精製する

なぜ魔軍司令ハドラーは敵の得意分野で戦ってしまうのか

物理には物理を、魔法には魔法を

ダイの大冒険本編において、中期までの(魔軍司令時代の)ハドラーはめちゃめちゃ立ち回りが不器用であり、結構勝てる勝負を落としています。
ほぼ勝ちが決まっていたヒュンケルに殺られてしまった、闇討ちしたのにマトリフに粘られた結果ダイの復活を許しハド / ラーしてしまったのはその最たるものでしょう。

これらはアバンのベギラマに対してベギラマを返す、マァムの物理攻撃に対してとりあえず物理で応戦してから魔法を使う、明らかに魔法が得意なポップに対してベギラマを使い、ベギラマを返されて押し負けたらベギラゴンを見せつける*1…という敵の同じ分野での技で勝とうとする、もっと言えば勝ち方にこだわる悪癖がある事に由来します。

ヒュンケル戦序盤の苦戦はヒュンケルが魔法を無効化して物理を強要してくるクソキャラだった事が原因ですが*2*3
マトリフに苦戦していた(事が原因でダイの参戦を許した)件は、魔法で戦うからあのような事になったのであって、対マトリフの正解は「近づいて物理で殴る」です。
ポップにせよマトリフにせよ地獄の爪があるのだからそれで刺せば終わりだったわけで、実際ハドラー魔王時代、ガンガディアはマトリフとの魔法戦の最中突如ルーラから接近戦に切り替える事でマトリフを下しています。

マトリフの背を地に付けさせた者はダイの大冒険本編まで見渡してもガンガディア一人でしたからこれは極めて有効な手段だったといえるでしょう。
ハドラーはルーラを使用せず、マトリフにはトベルーラがありますが、あの時マトリフはダイ達のディフェンスに徹していたので逃げ回るような事は出来ず、(少なくとも)馬鹿正直に魔法で戦う必要はなかったわけで、魔法を選んだのは完全に手癖です。

ではなぜそんな悪癖があるのかという話なのですが、これは魔王時代はマジでそれで勝ててしまった事が大きいと考えられます。
根本的な力量差のあったアバン初戦は言うに及ばず、

サババでの対決でもわざわざアバンに最高の力を発揮させてやった上でそれを凌いで自分のターンに入る余裕があり、

ウロドの決闘でもバーンパレス環境で通用する(というか本編中を上回る)拳聖ブロキーナを相手にしてすら押し勝てる所まで行っている*4など、

魔王時代のハドラーは基本的に全分野で負けなしです。
アバンやブロキーナが相手でこれなんですから、当時の環境では本当に全ての相手に相手側の得意分野で戦って勝てたと考えられ、それ故魔王ハドラーはあらゆる戦いで勝ち方にこだわる余裕があり、

またその事がハドラーの自分が最強であるという自信の源でもあったのだと思われます。


そもそも秘法の使用自体がハドラーは正攻法では倒せないと判断しての選択だった*5事や、
実際アバンが負けた時に備えて影でバランがスタンバっていた(アバンが無理なら天罰前提だった=他の誰にも倒せない判定だった)事からもわかる通り、
魔王ハドラーは当時の地上では常軌を逸して強く、環境定義キャラですが正直勇者アバン環境に存在してはならない化け物です。
地上では最強だったというミストバーンの評はまさに正解であり、この時点でハドラーが自分を最強と認識する事は何の問題もなかったと言えるでしょう。


…ただ、ハドラーは既に自分が最強とは言えなくなってしまったダイの大冒険本編でもそれを引きずってしまっていた。
俺は最強だから、相手の得意分野で戦っても本当は勝てるはずだからと相手の得意分野で挑んでしまう。
でも実際にはそれは無理があって、結局苦戦したり、追い詰められたりして、挙句の果てには真っ二つ。

獄炎の魔王では絶賛プライドへし折られ中のハドラー様ですが、彼の生涯で決定的にプライドが砕けたのはやはり勇者アバンに敗れ(てあとついでにバーン様に命を弄ばれ手駒にされ)た時だと考えられ、
蘇った彼は自分が最強という世界観を破壊されたショックからどうしてもへし折られたプライド、魔王時代の「最強の自分」という栄光を求めてしまっていたのでしょう。(なので禁呪法で当時の精神が反映されたフレイザードはああいう性格)
実際魔軍司令時代のハドラーに関しては

ハドラー 今までお前がアバンの使徒に敗れ続けたのは
精神的なもろさやおごりがあったからだ…
最強の肉体と才能を持ちながら
慢心と動揺の繰り返しで敗北し続けた…

…魔族の体にはもはや未練などない!
むしろ我が身を捨て去ることによって
かつては世界を席巻した魔王だったなどという
つまらぬ見栄も捨てられたのだ!

己の立場を可愛がっている男に
真の勝利などないっ!

…思えば魔王軍六大団長は最強のメンバーだった
だがダイ達に勝つ事はできなかった……
指揮官であるオレの心に野望と保身以外の感情が無かったからだ…!

…と精神的脆さ、驕り、慢心、動揺、見栄、保身といった部分が度々指摘されたりハドラー自身も反省したりしており、「最強の魔王だった自分」への拘りこそが彼の弱点であったと言えるのではないかと思います。

余談

ちなみにそうした立ち回りの不器用さとは別に、ぶっちゃけ魔王ハドラーと比べて魔軍司令ハドラーは弱体化しているというか、圧倒的に精彩を欠いている所があり、これも苦戦の原因として大きかったと考えられます。(多分本人は気づいてすらいなかったのですが)
もちろんカタログスペックで言えば魔王時代より魔軍司令時代の方が圧倒的に強いはずなのですが、怖さというか、戦場での強さという意味では魔王ハドラーの方が数段上かなと。
というか魔軍司令が再生怪人過ぎる。

実は勇者アバン環境のハドラーは攻撃が効きませんでした。
空の技が無いアバンストラッシュはダメ、メラゾーマもダメ、レイラのピオラ乗せたナイフもダメ、閃華裂光拳も見切られてダメ、ロカの馬鹿力や奇襲攻撃もダメ。(初戦は腕落ちたけど)
ベタンもそもそも回避されてます。
獄炎の魔王において、偶然出た三位一体アバンストラッシュと初戦でのロカの不意打ち以外ではハドラーは決定的ダメージを受けておらず、
最強の閃華裂光拳を持つブロキーナでさえハドラーとのタイマンは劣勢、粘れこそするものの倒せはせず彼のスタミナが切れた時点でハドラーはまだ十分余力を残しており正直まるで勝ち目はない(あれ以上続けてもブロキーナが殺されるだけ)…とマジで何をやっても倒せないクソキャラです。
これは火力が本編に比べてデフレしているためハドラーが相対的に硬いというのもあるのですが、
なんと言ってもそもそも危険な攻撃はで察知して回避・防御するため基本的に何をやってもダメージが通らないというのが大きいです。

魔軍司令時代はどうもこの勘が働いてない。

ヒュンケルの最期の一撃(大嘘)を受けてしまったのが特にそうなのですが、魔王時代のハドラーならあんな攻撃は食わなかった(「何かを感じる」事ができた)はずなのです。
多分先述の精神的な問題か、もしくは「バーン様に頂いた最強の肉体」への過信が悪く作用しているのでしょう。
もしくは、そのセンサーは恐怖と表裏一体でしたから、恐怖を感じた自分を受け入れられないあまり封じてしまっていたのかもしれません。

またアグレッシブさについても守りに入っている魔軍司令時代よりも魔王時代(ウロド以前)の方が勝っており、自身に対して致命打となりうる閃華裂光拳を見せられた後でもハドラーは老師相手に果敢に攻め込んでおり、これが正着となって押し勝ちまで行っていました。
が、正直これが魔軍司令時代にできるかというと…。


光魔の杖のリスクにも気付けたし、ハドラーは攻めてる時の方が強いよ。


ちなみにここらへんを相対比較で見ていくと
・魔軍司令ハドラーに剣時代のヒュンケルはやや有利
・剣を持ったヒュンケルと剣を持ったロンベルクはほぼ互角
・剣を持ったロンベルクと闇の衣状態のミストバーンは互角
・本編時老師は1分間ならミストバーンを一方的にボコボコにできる
・魔王ハドラーは本編時老師よりも強い当時の老師と互角に*6戦いスタミナ差で押し勝つ事ができる
という感じなので、
魔軍司令ハドラーにやや優勢となる剣ヒュンケルと互角の腕前を持つロンベルクと互角の腕前を持つミストバーンを一方的にボコボコにできるブロキーナと互角以上に戦える魔王ハドラーというよくわからない感じになっており、
ヒュンケルが脂の乗っていた時期だったというのもありますが、技だけで言えば接近戦でもハドラーは本来ヒュンケルに劣るはずは無いのです。

最後の一撃を受けてしまった事と言い、やはりこれは精神的後退の影響があり、多分魔軍司令が「弱い」のではないかなと思わされます。*7

なおこの記事を書いてる途中で21日を迎え、獄炎の魔王が更新されたのですが、30話ではブロキーナ老師によるハドラーの強さの解説が行われており、その一つとして「異常な勘の良さで致命傷を回避してくる」事が挙げられていました。
合ってたぜヒャッホイ。

 

*1:これ気付かなかったんですがアバンがベギラマ対決で負けたのの意趣返しなんですね

*2:ハドラーは物魔万能型なので魔法を無効化して近接物理特化のヒュンケルと相性が悪い。恐らく元はアバンメタのビルドなんですが、アバンとハドラーはタイプが同じなので…

*3:逆に鎧の魔剣が無ければ最初のイオナズンで終わってます

*4:閃華裂光拳を解禁した老師がフルパワーで攻め立てたにも関わらずハドラーは倒れず、結局大したダメージを与えられないまま先に老師のスタミナが切れている

*5:実質的にはギブアップ宣言に近い

*6:有効打を入れられずに

*7:魔法耐性のせいで呪文での牽制とかができなかったのが響いた…という可能性は考えられますが、どの道ハドラーは「前衛にぴったりつかれると小さい呪文しか撃てない」のでそんなに影響はなかったと思われます

全ての戦いを勇者のためにせよ

今更ながら勇者アバン29話の感想です。(単行本派でVジャンは買ってないので次回が読めるのがだいぶ先になってしまい悲しい)(と思ったら今回から電子版が出るらしくてハッピー!)

らしくない

…らしくない
ハドラーはここぞという戦いには自ら前線に赴くことが多かった
それが夜に紛れての闇討ちに咥え
配下の数に物を言わせた奇襲…奴の性格に合わない戦い方だ

やはり今回はハドラーの精神的後退が非常に辛い展開でしたね。
本編のバーンパレスでアバン先生が

あのハドラーもかつては残酷な男でした
人間たちにひどい事をしました
でも彼はまだ自分の手でそれを行っていた!
私と戦う時にも常に自ら戦線に赴いてきたものです…!
だが!あなたは明らかにそれ以下!
自らの手を汚さず敵が死の罠にはまってもがき苦しんでいる所を見て喜ぶとは残酷にも劣る残忍!!
戦いの最低限のルール…それは戦士としての誇りです! ハドラーにはまだそれがあった!

と述べていたように、アバン先生的に敵だからこそわかるハドラーの美点が戦士としての誇りだった訳ですが、凍れる時間の秘法やアバンストラッシュで味わってきた理解不能なアバンの強さを恐れたハドラーは「削り」の戦略を選んでしまいました。
ところがこれは完全に裏目であり、
パプニカやサババやギュータからの増援が集結した事で、モンスター軍団は戦力的に相殺、入城を阻むことができず、
更には(本編読者は既に承知の通り)ここでアバンパーティは「全ての戦いを勇者のためにせよ」の戦略を選択するため、

結局アバンは殆どノーダメージでハドラーの玉座に辿り着いてしまう事になります。
ここでもしハドラーが迎撃に出る事ができていたら。
地底魔城攻略にブロキーナは参戦していないため、今回アバン側にはハドラーを単騎で抑えておけるような人材はいません。
つまり軍団同士の対決の中でハドラーはガンガディアとバルトスを連れて自由に暴れる事ができたわけです。
マトリフには世界観上最強の呪文であるメドローアがありますが、ハドラーにも勇者アバン環境では最強呪文のイオナズンがあり、彼はこれを連発する事ができますので、ガンガディアとバルトスにマトリフやロカへの対策を任せてイオナズンで戦力差を広げて…という立ち回りも見込めたはずですし*1
或いは効率プレイに徹するなら徹するで最悪でも地獄門の前でスタンバってればバルトスと組むことで2対1でアバンと戦えたのでそれはそれで勝てたはず。
結局玉座に引っ込んだのが最悪の選択だった感があり、怯えた立ち回りが己の首を絞める結果になっていますね。
既に本編での空回りの片鱗が見え始めている気がします。

アバンの強さ

なんだ…
なんなんだこいつは!

ハドラーをバグらせているのはアバンの見せた力ですが、これはただの力ではない強さだったからこそハドラーは動揺したのだと思われます。
大魔王バーンには「尽きる所を知らぬ覇気と強さのみを信じる心」と評されていた通り、魔王ハドラーの自信・プライドを裏打ちしているのはバーンにも通じる「自分が最強である」という確信であり、これを揺るがすものは二つ、
大魔王バーンや竜の騎士バランの持つ「単純にハドラーを上回る力」と、
勇者アバンの示した「ハドラーの理解できない力」であり、
ハドラーはアバンを理解できないからこそ恐れているのでしょう。
今までどんな人間もより自分の力で攻撃すれば倒せたし、どんな人間も魔王の力の前に恐れ絶望しながら死んでいったのに、アバンは立ち向かい、最期の瞬間にも笑っていた。それが理解できない。
まあ平たく言えば呑まれてるんですね。
この後ハドラーは敗死するわけですが、本編での復活後の凋落もこれらの精神的ダメージが響いている感じはあります。
そしてまたその力の正体がずっとわからず、その力に翻弄され、その力を追い続けた結果超魔ハドラーの最期に至るのでしょう。
(なお、アバンに対してハドラーは動揺しましたが、実際これは魔族的にはマジ意味不明の価値観らしく、
 バーンもアバンは敬遠していましたし、クロコダインなんかはその輝きによって正義の使徒入りしています)

ハドラー的には闇討ちは卑怯なのに決闘で魔物の軍勢使うのは卑怯じゃないの?

ザボエラの件を考えると魔族的にも闇討ちはアウトっぽいのですが、
一方で、ハドラーは「魔王軍」として数で囲む事はあまり問題視していません。*2
これはどういうことなのか微妙に気になったのですが、「強敵とのタイマン」には拘る所を考えると、「強い相手よりも更に強い俺」という部分が重要なのではないかなと思われます。
クロコダインが人質戦法に拒否感を示していたように、「盤外戦術で相手の強さを発揮させない」のは卑怯ですが、「数をぶつける」のは親衛騎団の言う所の「ふるい」であり、数をも乗り越える相手を選りすぐって、それを倒す事で強さを証明するのは魔族らしい立ち回りなのでしょう。多分「数で潰されるような相手とは戦う価値無し」みたいなところもある。
あと冷静に考えると魔物の軍勢の大半はハドラーが邪気で配下にしているので、ハドラー的に自分の能力の内みたいな所もあるのかもしれません。
ガンガディアが魔物の軍勢とマトリフを囲んでたのは実質ハドラーのバフを受けながら戦ってるようなもの…なのかも。

氷炎結界呪法はフレイザードが卑怯上等だからやっただけではって?あれはデバフ術だからいいんだよ。ミナカトールだって似たようなもんだろ。

ところでアバンもイオナズン対策ないよね?

ハドラーは完成したアバンストラッシュに対しては防御しても多大なダメージを負う・完成したアバンストラッシュが最終的にハドラーに対して決定打となるのは知られている所ですが、実はアバンも魔王ハドラーの必殺技であるイオナズンを攻略する手段を特に持っていません。
イオナズンは基本的にはガー不で*3、海破斬で凌げる規模でもなく、パプニカでもサババでも回避するしかないと判断していました。(本編での描写によればアバンストラッシュをぶつけても相殺しつつお互いにダメージを受ける事になります)
まあパプニカではフローラ姫が、サババでは子供がそれぞれ射線上にいたため回避できず自分の身体を盾にしようとしたり、お供についていたレイラと力を合わせ障壁を作ってダメージを軽減したりしていましたが、

前者は死亡前提だったところをロカがカットしてくれてセーフ、後者は防御してなおほぼ戦闘不能となるダメージといった感じであり、直撃すれば間違いなく死亡するものと思われます。
もちろんハドラーとの決戦は地底魔城での1対1ですので、味方がいなければ「回避できない事情」は発生しないかもしれませんが、地形的に回避できない、規模的にそもそも回避できない*4と言った事は考えられ、こうなると両者はお互いに相手を倒せる手札を持っての刺し合いという事になりそうですね。
ヘルズクローは未実装なのかな…。

迎え撃つ!我が生命と…知性の全てを賭けて!


「生命と知性」をかけるのがガンガディアらしくて味わい深いシーンです。
扉絵の「魔王の右腕―――剛力と魔力を備えた強者」もめっちゃいい。

勇者共の闘志の方が異常

アバン側の攻勢の速さはアバン本人のメンタルもさることながら、
マトリフがハドラーとアバンの回収に成功した事、凍れる時の秘法に関する資料を持っており早期に解除方法を見つけられた事、それによって呪法の解除とは別の処理方法を考えたり、地底魔城を探したり、各所に根回しをしたりする時間的余裕を持てた事が大きいと考えられます。
この間ハドラー側というかガンガディア側は、
まず離脱している間にハドラーとアバンをマトリフに持っていかれてしまったためそれを探すところから始めねばならず、結局それが自力でできなかったためザボエラが助け舟を出してくれるまで足踏みする事になり、
さらに術が凍れる時の秘法であると調べるのに時間を食い、
その上で秘法を破る方法を探すもののこれも資料不足で結局ミストバーンの助力を得るまで足踏み…と、
全体的に後手に回っていたのが非常に響いている感じですね。
両者は一年以上封印されていたそうですから、そのまま下準備に一年の差があったという事になります。
この辺ガンガディアとマトリフの巧みさの差といいますか、マトリフが有能過ぎました。
元をただせばメドローアでのうっちゃりがあまりにきつかったですね。
撲殺を選んでいれば戦闘後余力のないブロキーナをガンガディアが倒してハドラー勝利エンドだったのでは…。

ヒュンケルとハドラー

ヒュンケルはハドラーを魔王様って呼んでたんですね。
  
そう思うと後の「何が魔軍司令だ」が違う意味に聞こえてきます。
まあヒュンケル的にハドラーを尊敬していたかというとさほどでもないと思うのですが(ハドラーの方がヒュンケルに興味が無さそうなので接点自体無さそう)、ハドラーは尊敬する父バルトスの創造主であり、ヒュンケルの暮らす地底魔城の王なので、「厳しい祖父」「一家の長」くらいには捉えていたと考えられます。
なのに、魔王としてあれだけ威張っていたのに、願いをかなえてもくれずあっさりと敗死し、それによって父であるバルトスは消滅*5、魔物たちも手勢として死んでいき、自分は一人ぼっちになって。
その癖ハドラーは後で自分だけ生き返り、魔王の肩書も捨ててのうのうと魔軍司令なんてやっている。
しかも高潔な父バルトスの後継として作られたフレイザードはいかにもなゲス…。
「何が魔軍司令だ、いずれ己の非力さを思い知らせてやるからな」と思うのも無理のない話です。
  
でもそのヒュンケルを育てたバルトスはハドラーの作った禁呪法生命だからヒュンケルはハドラーの孫みたいなものですし、
その精神性(多分武人気質成分)の元もハドラーだからヒュンケルの騎士道自体ハドラーに貰ったようなものではあるんですよね。*6
だからなおさら許せないのかもしれませんが。
地底魔城という家、魔王軍という家族、バルトスという父、バルトスの騎士道…これらはそれぞれハドラーの魔物を従える邪気と、生命を創造する禁呪法と、禁呪法で反映された精神性とに由来し、
要は全部ハドラーがくれたものなわけですが、ハドラーが負けたせいで全部失われてしまった。
そしてハドラー本人は知らぬ顔で宗旨替え…。

案外ヒュンケルのハドラーへのヘイトはただの復讐心ではなく、家族としての裏切りを糾弾するものであり、ヒュンケルとハドラーの対決は父殺しの文脈だったのかもしれません。
実際一度決着がついて以降のヒュンケルは「武人として成長したという噂は嘘だったのか?」と問うたり、ダイとの戦いを「二人の戦い」「男同士の戦い」と尊重する姿勢を見せたりとハドラーに対してある程度丸くなっています。
初期ヒュンケルはハドラーに対しては嫌味と煽りしか向けておらず、「質問」するといった「コミュニケーション」を取る事は無い
「いかにパワーアップしたとはいえ以前のハドラーでは考えられない」という述懐もハドラーをよく知っていればのものです。

ヒュンケルと地底魔城

後にヒュンケルは地底魔城を与えられ、

祖父王ハドラーの玉座に座り、最後には親父の弟であるフレイザードに実家ごと爆破されるわけですが、
(あとしぶとく生き残りハドラーを倒したりもします)(しぶとすぎだろアイツ)
この辺もメチャ因果でいいですよね。
地底魔城と地底魔城の活気は取り戻したけど、それはもう自分の家族の暮らす実家としての地底魔城ではなく、その家族の誰もいない地底魔城で玉座に座っているの空しすぎてやばい。
バーン様こういうの好きそう。

…というか冷静に考えると
魔王ハドラーの禁呪法生命体にして最強の騎士バルトスを父に持ち、魔王ハドラーを倒した勇者アバンを光の師、大魔王バーンの従えるミストバーンを闇の師とし、名工ロンベルクの鎧の魔剣を纏うヒュンケルって何?オリ主か???

*1:そもそも乱戦の状況であればハドラーは犠牲を厭わずイオナズンを撃てるのに対してマトリフは恐らくベタンやメドローアを使えないだろうというのもある

*2:「決闘」に際して魔王軍として魔物の軍勢を引き連れて3人のアバンパーティと戦うとか、大魔王軍として全軍で4人そこそこのアバンの使徒を罠にかけるみたいな行為は普通にやるし特に指摘も入らない

*3:本編だと極大呪文は鎧の魔剣やドラゴニックオーラでガードでできていましたが、アバンにはどちらもありません

*4:パプニカでは回避「できる」ような感じでしたがサババでは爆心部から「少しでも離れる」事しか手はないとのコメント

*5:まあ厳密にはハドラーの敗北が直接バルトスの消滅に繋がったわけではないのですが

*6:初期のバルトスの解説だと死体をベースに作ったアンデッドだから生前由来の騎士道を持っている…という感じでしたが、ハドラーが封印されたあたりで「禁呪法で作られた」という設定が確定した感じなので微妙な所ではありますが…

唯一絶対なる者


調和の神の超神名がザ・ワンだと明かされましたね。
The Oneは「神」「絶対者」「唯一の存在」を意味する言葉だそうですので、
「下界の超人達を導くために自らもまた超人となって下界に降りる」と言って下天した慈悲の神、ザ・マンと丁度対になる名前
なのだと考えられます。

ザ・マン自体は自らをあくまで超人であると位置付けたため己を超神と称した事は無く、超神という概念自体最近下天してきた十二の神が提唱したものです。*1

問答の際ザマンは慈悲の神に「超神ザ・マン」と呼ばれたのに対し「自分は超人である」と返していましたし、

始祖たちにとってThe Manは「超人の中の超人」という意味でもありましたから、ザ・マンとは自らが超人であるという事を強くアピールした(超人になった事を受容した)名前であるとも言え、
この筆法に則って考えると、The Oneは「神の中の神」を意味している、ザ・ワンとは自らが神である事を強烈にアピールしている名前であるものなんじゃないですかね。


あとザワンの顔が険しくてよく見えないのは多分スト武時代のザマンの顔が武道マスク越しに殆ど見えなかったのと同じ原理だと思われます。

おわじ

それはそれとして、バッファですが多分サタンがらみでの選定でもあるんでしょうね。
牛はフラフラ野郎として有名ですが、その過程でサタンに魂を売って超人パワーを得ていた時期があり(七人の悪魔超人編)、あれは神と契約して超人パワーを得ていたのとやっている事としては似たようなもんでした。
サタンは調和にいいように使われていたという話もありましたし、そういうマッチングではないかなと思います。

*1:この辺ゴールドマンが後から出てきた完璧超人始祖の一人だった事になったりネプキンが後からラジナンの一人だった事になったりするのと同じであり、好きなタイプの後付けです

黄金の太陽小ネタ集

何年か前に何年かかけて集めたものです。
順番はめちゃくちゃですし当時知られてなかったネタしか入ってません。つまり有名なのは押さえてないです

ゴンドワナ大陸を結ぶ崖(キボンボ族が町を襲撃する前に隠れていた洞窟の外のエリア)の左側の出口の方でスライドをすると視点がバグる

・引継ぎ時、ポピーチーの近くの村にいるコロッセオの戦士にリードをしてもメッセージが設定されていないのか普段のメッセージが表示される。リードに対して選択肢を使える貴重な場面

・イマジンはリードで解除できるので、チャンパのオババに下から話しかけてイマジンを使うと足場が消えてかなり手前まで戻される。リードの距離が長くなって楽しい

・マーズ灯台で龍の炎に追われる場所ではセーブメニューが開けない

・マーズ灯台のイマジンで渡る飛び石の中央部分で立ち止まり、何らかの方法でイマジンを解除したり龍の炎の直撃を受けると階下に落ちる。*1

・ペンギンのいる小島の流氷はイマジンで止める事ができる。

・流氷の上にいる状態で流氷が下の端に行く度に下キーを入れながらイマジン発動、リードで解除を繰り返す。と、だんだんガルシアが流氷の上からずれていき最後には溺れる。

・マグマロック内部にあるモアイ?には段差の下からのバーストが届く。こうするとガルシアのいる場所にマグマが流れてくることになるが、マグマは進入不能地形なだけで中を動くこと自体は自由に出来、大幅なショートカットが可能

・そうりゅうざんやライトミラージュなどの長い演出をBおしっぱで流し直後にソロを使うとラグの関係で飛び掛らずにソロを使用するのでソロを投げたような感じになる

・( ゚д゚) <はまべに たくさんのサカナが うちあげられてるからって あんた しんぱいしてるのか?
 ( ゚д゚) <
      <

・失われしのOPのあらすじ画面でスリープをして、復帰したコマンドの後もLRを押しっぱなしにしておくと背景が変わらないのに文章だけが流れたためかバグり、本編でも使われてい無いような文章が読める。ひきさかれるにくたい

・イミルやプロクスでアクアを使用すると雪が降る

エアーズロックでイマジンを習得してから、近くの飛び石エリアで戦闘を行い終了時のメッセージをBでスキップしつつ下キーを押しっぱなしにするとたまに最下層まで落下し、地形を無視して行動可能になる。ただし扉はくぐれないので竜巻に乗る以外でそこを出ることは出来ない

・まのかいいきにおいておつきさまの近くの流れを止めると画面下の水流も止まるのだが、そこから画面外へ進むことができる

・マーズ灯台攻略前のプロクス村でイマジンを使うと、辺りが明るくなる

・プロクス村の教会の前にいるおっさんは歩くモーションがない

・ガラパス島のおばさんを出口まで押していくと、突如ガルシアの頭に乗る。

・モアパの家の下のとびらはチェックしても「カギがかかっている」と表示される…が、トライアルロードの前でも実は普通に開く

・ニュンパがいる洞窟、実は龍の炎で陰を出さなくても進める

ギアナ村に入るとそのたびに港にある船の位置が標準に動く。

・キボンボの儀式中、アカフブが上ってきた後にガンボマ像の口から外に出ることが出来る。またその先の高台の左端でスタートボタンを押すとキボンボ戦士が表示されなくなる

・スサやクシナダはムーブを好き放題に使っているがあれは実は火属性である。

・イズモのよろずやの女の子はかわいい。

・スハーラ砂漠の追ってくる竜巻からは逃げきることができる。

カロンの演出はスキップした時微妙に色が変わる

・トールの演出は実は封印と開かれしで光の跡の感じが微妙に違う

アルタミラ洞窟でイマジンをつかうと暗闇で見えない部分も見通すことが出来る

・リリースをピカードにもたせたままレムリアで離脱させるとルンパの家に入る時リリースが使用できなくなる。その場合ルンパはロープをたらしてくれる

・ポピーチー村で最初のヴァンパイアイベントを起こす前に教会スタートをしてマハのイベントを起こした後で村からでると明るいにもかかわらず満月のイベントが起こる

・ポピーチーでのマハとの会話はピカードまでは紹介されるが(空気だが)封印メンバーはパーティに存在していても紹介されない

・翼付きの船の出航後、ハモの家に行くとハモとイワンの会話がある

・失われしの新規データで教会スタートを行うとタイトルがめんなるマップに飛ばされる

・失われし最序盤において一回でもセーブをしてから教会スタートを行うと、いつの間にかデリィについている

・アラフラのパヤヤーム逃亡イベント中に教会スタートをすると詰む

・ジュピター灯台での戦いは四人揃うまで全滅しない

・ジュピター灯台のイベントでピカとガルシアしかパーティにいない状態になっても通信対戦自体はできる。

・通信対戦は勝ち負けと出場したかに応じて待合部屋のキャラにセリフが用意されている

・ジュピター灯台でピカと二人行動になった時そのまま頂上を目指しがちだが、戻ってロビン達と話せる。

・ジュピターイベント中は教会スタートしても失敗する。ざんねんながら復帰できませんでした。

・オブジェクト扱いなら人から炎までスライドは効く。けっこうシュール

・スンパワのベッドは会話どころかリードにも対応している

・物理ダメージ計算は(攻撃-防御)/2だったような。

・全ての割合ダメージ攻撃の内唯一アガティオのメテオストライクのみエナジー攻撃

・死霊状態は重ねがけでカウントダウンを早められる。

・召喚によるエレメンタルパワー上昇は100まで。

・地中にいるジンは仲間にした直後におなじ場所にスコップを使用すると再び出現する。ただし複数ゲットすることは出来ない

・ペトロとは船が飛んでいても戦闘になる。*2

・船に乗りながらシャドーを発動すると影が消える

・翼の付いた船に乗りながらグラビティを発動するとEP消費なしでモンスターとの戦闘を完全に回避できる状態になる。

・船が中くらいのサイズで表示されるマップつまりレムリアや大陸を結ぶ崖あたりでグラビティを使うと船が羽ばたく

*1:マーズ灯台以外のイマジンで渡る飛び石は(確か)全て対岸への直線状にあり、そうしたところでは一つ飛び移ると対岸まで自動で飛び移る仕様なので、中央部分で立ち止まるということ自体ができず、イマジンの解除や妨害によって足場を失い落下するようなことはない

*2:なお私はそれ以外で出会ったことがない